家の屋根についての話⓶
前回、家の屋根の「形状」についてお話をしました。
今回は屋根材の種類についてお話しようと思います。
私がお話しできるのは、今多く使われている一般的な屋根材についてです。
各メーカーがしのぎを削り、新しい素材の新しい屋根材を出しているケースもきっとあると思いますが、それについては知らなかったり勉強不足ということでお話できません。
さて、現在使われている一般的な屋根材というと、次の3種類が挙げられます。
⓵「瓦(かわら)」
これには洋瓦、日本瓦など種類があります。
⓶「スレート」
一般的にはカラーベストとも言います。
⓷「金属屋根」
これはガルバリウム鋼板と言って、金属に錆びにくい加工が施されています。
では、それぞれの屋根材の特徴と、メリット、デメリットについてお話いたします。
⓵瓦
【メリット】
高い耐久性があり、断熱性や遮音性も高いです。非常に長持ちするのでメンテナンスはほどんど必要なく費用は安く済みます。
【デメリット】
重いので地震に弱いといわれます。しかし、洋瓦は軽く作られているのでそこまでの心配はいりません。本格的な日本瓦は費用が高くなることが多いです。
「瓦」は高温多湿な日本の風土に適応した優れた屋根材で、古くから格式のある建物にも多く使われてきています。お城やお寺がそうです。
⓶スレート
【メリット】
軽量のため地震に強いとされています。また、色のバリエーションが豊富にあるので、凝ったデザインにも対応しやすいです。
【デメリット】
耐久性が最大の弱点です。定期的に塗装をする必要があります。だいたい10年~15年毎が目安です。
戦後の急速な住宅ニーズと施工が簡単なことから、時代のニーズに合って普及しました。コストが安く済む場合が多いです。
⓷金属屋根
【メリット】
軽量で耐久性が高いのと、緩い勾配でも使用できます。太陽光パネルを乗せる場合も工事がしやすいです。
【デメリット】
断熱性に弱点があります。雨音が響きやすいともいわれますが、しっかり断熱材を入れることで解決します。あと、キズがついたりするとそこから錆びやすくなるので注意が必要です。
現代の技術により軽量化と錆びにくさを両立でき、近年普及が進んでいます。
このように、屋根材にもそれぞれいろんな特徴がありますが、他にも珍しい屋根材はあるんです。
それも1部ご紹介します。
【銅板屋根】
最初は光沢のある赤胴色から、時間をかけて緑色に変化する様子は、歴史を刻む美しさとして、高級感を出したい建物に使われます。
神社仏閣、よく知られるところでは現在の名古屋城がそうです。
【天然スレート】
ヨーロッパの宮殿などに使用されてきた本物の石材です。100年以上の耐久性があります。
日本で使われるのは、最高の品質を求める一部の人のみでしょうか。
屋根材は「瓦」のようにある程度の重さが必要だと考えられてきました。
それは「風」に飛ばされないための重石(おもし)の役割があったからです。
日本にはよく台風が上陸します。突風が吹くこともあります。
「瓦」は風対策をしながら屋根材として進化してきた歴史があります。
しかし、重すぎる屋根は地震になった時、建物にダメージが出やすくなるのは事実です。
だから「瓦」は軽量化をめざし、スレートや金属屋根は「耐久性」を目指してきたのです。
あとひとつ、忘れてはならない日本の原風景でよく見る屋根材がありますが、何だかわかりますか?
そうです。「茅葺き」です。
日本の夏は、高い湿度と暑さが特徴です。
だから家全体の通気性が必要で湿気を屋根から逃がし、夏の暑さを和らげる知恵で「茅葺き」が普及したのです。
もっとも現代で「茅葺き」の屋根を選ぶ人は、まずいないと思います。現代で施工できる業者はいるのでしょうか。私は聞いたことがありません。
まず人口密集地では「火災」に対する脆弱さから、まず採用されることはないでしょう。
しかしこの「茅葺き」は、夏に涼しく冬に温かい、エアコンの無い時代を快適に生活する
「日本人の知恵」だったのです。
ご覧のようにこの門は「茅葺き」の屋根です。
私はこうした風情のある場所がとても好きなので、「茅葺き」も、あってもいいんじゃないかと思っているのです。
日本には四季があり、北海道から沖縄まで、気候にずいぶん差があります。まだまだ私の知らない「屋根材」があると思います。
それについては、またおいおい勉強していこうと思っています。
コメント
今回も大変ためになりました。
屋根にも土地や歴史によっていろいろ種類がある事が分かりました。
これから街を見たときに知識を得たことによって見方が変わります。
先日入母屋の家屋を発見して「分かった事」が嬉しくなりました。
有り難うございました。
入母屋の家は「田舎」というか田園地帯の家に多く見られると思います。
しかし、これからはどんどん見られなくなるような気がします。